2016年11月
2016年11月14日
市場価値データバンク
市場価値データバンクは、150社50万人以上の方が受検された市場価値測定テストのデータをもとに、日本経済新聞などの記事と紐付けして、業種・職種を越えて、企業の人材のビジネス能力をレポートしたものです。
※市場価値測定テスト…市場価値測定テスト(MVA)とは、独自に開発したセブンレイヤーズモデルに基づいて、ビジネスパーソンの保有するコンピュータースキル、リーダーシップ能力や性格、適性、体力等の潜在的能力を客観的かつ科学的に数値化するためのテストで、1000点満点のテストとなっております。(各能力については100点満点)現在、簡易版を含め、MVAをご利用になられた方は50万人を超え、信頼性の高い人材評価プログラムとして、日本を代表するリーディングカンパニーを中心に高い評価を得ております。
MVAに関する説明はこちら
http://www.v-change.co.jp/mvajtest/index.html
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今日のトピックは、
~100年ライフを充実させるために個と組織に求められる変革とは~
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長寿化、多様な働き方迫る リンダ・グラットン氏 (ロンドン・ビジネススクール教授)
私たちの未来は急ピッチで進む「長寿化」の影響を抜きには語れない。いま先進国で生まれる子どもたちは50%を上回る確率で105歳以上生きるとの予測がある。100年生きる前提で人生を設計しなければならない。
20世紀には、人生を教育のステージ、仕事のステージ、引退のステージの3つに分ける考え方が定着した。引退生活を年金や貯金などが支え、多くの人はお金の心配をしなくてもよかった。100年ライフの時代に引退年齢が変わらなければ老後資金は足りない。3ステージの考え方は通用しなくなる。
そこで提案したいのが、「マルチステージ」の人生だ。生涯を通じて様々なキャリアを経験し、3ステージの呪縛から自由になるのだ。長い人生の恩恵を最大にするには、柔軟性、新しい知識、新しい思考法、新しい人的ネットワークなどが必要になる。
100年ライフの前に立ちはだかるのは企業だ。特に日本企業には大きな変革が欠かせない。新卒で入社し、定年まで働く終身雇用、経営幹部の女性の少なさ、長時間労働など日本企業には世界では珍しい特徴があり、働き方の柔軟性や多様性を阻む要因になっている。
日本企業が欧米企業に比べて「遅れている」とは思わない。従業員同士のつながりやものづくりの匠の力が強い。マネジメント能力が高い経営者もいる。
強みを伸ばす一方で、変えなければならないのは終身雇用と長時間労働だ。職場に長くいると、多様な人的ネットワーク、新しい経験を受け入れる姿勢、肉体的・精神的健康といった「無形資産」を築くチャンスが奪われてしまう。
お金に換算できる「有形資産」はもちろん大切だが、換算できない無形資産こそが100年ライフを楽しむ原動力になる。
(日本経済新聞 11月7日 朝刊7面より抜粋・編集)
上記の記事では、ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏が、特に先進国において平均寿命が延びた結果、100年生きることを前提とした人生設計が求められると提唱しています。
グラットン氏が強調するように、今後は定年に縛られることなく、様々なキャリアを重ねる「マルチステージ」の人生設計が必要になります。そのためには、上司の顔色を窺いながら組織に従属するのではなく、“顔の見えるプレーヤー”として、個の活躍が求められるのはいうまでもありません。
しかし、市場価値測定テストの結果からは、非常に残念な傾向を読み取ることができます。下図をご覧ください。
このグラフは、1000点満点で表されるビジネス基礎能力(仕事力)の推移です。日本人の仕事力は、この10年間で1割近く低下しているということが分かります。現状維持を目指していては、個がイキイキと活躍する「マルチステージ」の人生を送るのは難しいでしょう。
それでは、この現状を打破し、100年ライフを充実させるためにはどうすれば良いのでしょうか。弊社では内からの変革と外からの変革という2つのアプローチを提案します。
まず、個の仕事力を高め、日本のビジネスパーソンの能力の底上げを図るという内からの変革です。当ブログの過去の記事でも取り上げている通り、仕事力を高めるための最速かつ確実な方法は、「ビジョン概念化能力」を伸ばすことです。明確なビジョン(夢やロマン、在るべき姿)を描くことで、それを達成するべく行動変革が起きます。結果として、情報収集能力やマネジメント能力など他のビジネス基礎能力も高まるのです。このことは統計的にも証明されています。(下図参照)
※ビジョン概念化能力が高ければ高いほど、ビジネス基礎能力全体=仕事力も高くなっていることが読み取れます。
仕事力を向上させることで、上記記事でも述べられているネットワーキングスキルや、緻密な作業で発揮される忍耐強さなどの日本人の強みをさらに活かすことができます。
次に、外国人の多様な発想との相乗効果によるイノベーションを企図した外からの変革です。国内市場の縮小などを理由に海外に拠点を構える日本法人が増えている一方で、「日本だからこそ、会社の成長が見込める」と、日本で起業する外国人も増加傾向にあります。法務省によれば、2015年に「経営・管理」の在留資格を取得した外国人は1352人。全てが起業家ではありませんが、会社経営に携わる外国人層の厚みは着実に増しています。(9月30日 日本経済新聞参照)
業界の垣根が崩れ、競争力の源泉はいかに新産業を生み出すか、というイノベーション力にシフトしてきています。異端の人材を排除するのではなく、オープンマインドで真の多様性を受け入れる必要があるでしょう。日本人が気付かない発想を持った外国人との協働により、先に述べた日本人ならではの強みとの相乗効果も見込めます。
この日本人の強みと外国人の多様な発想を掛け合わせることが、日本経済の活性化につながる一つの糸口といえるのではないでしょうか。
10年先の世界を予測するのが難しい時代だからこそ、自らの行先(ビジョン)をしっかりと定め、日々着実に個としての揺るぎない足場を固めていくことが重要です。これを機に100年ライフを前提とした人生設計の見直しを図ると共に、自社で多様性が活きているかどうかをチェックしていただければ幸いです。
※データ標本数:13219名
※このデータは標本より一部を抽出したものです。あくまで参考値としてご覧ください。
(執筆者:加藤)
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